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2009 年度 実績報告書

開放経済での技術開発と競争政策の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19730147
研究機関上智大学

研究代表者

蓬田 守弘  上智大学, 経済学部, 准教授 (30286611)

キーワード経済理論 / 競争政策 / 国際貿易 / 直接投資 / 企業の合併・買収 / 技術開発
研究概要

これまでの研究では、市場統合に伴う国際競争の激化が国内企業の合併や外国企業による国内企業の買収をどのように促すのか、またその帰結として社会経済厚生にどのような影響を及ぼすのかを分析してきた。その結果、企業買収・合併を認めるべきか否かという競争政策の課題を開放経済のもとで考察することができた。
もう一つの課題である企業の技術開発については、上記の分析で十分に扱うことができていなかった。そこで、企業の技術開発を取り入れるべく、モデルの修正・拡張の可能性について検討した。具体的には、企業の保有する資産、たとえば知的財産や物的資本に着目し、企業の合併・買収動機は他企業の保有する資産を取得することにあるという側面をモデルに取り入れることを試みた。
企業の買収・合併が成功するか否かは、取得した資産を有効活用できるか否かにある。つまり、取得した資産と自社の保有する資産との補完性がどの程度あるかが、結合した企業の利益を左右する。また、結合企業が資産の価値をさらに高める目的でどの程度まで研究開発投資を行うかが、企業結合の社会経済厚生への影響を考える上で重要な視点となる。
そこで、企業買収・合併の影響を分析する際に、企業資産の相互補完性と結合企業の研究開発投資の関係を考慮できるように、モデルの修正・拡張の方法を検討した。その結果、結合企業の生産費用が結合前に各企業が保有する資産の補完性に依存するという形で、企業資産の補完性をモデルに導入できることがわかった。さらに、結合企業による生産費用削減のための研究開発投資が、企業資産の補完性に応じて決まるように定式化できることもわかった。
このような方法により拡張したモデルを使って、技術流出の懸念から外国企業による買収を阻止し国内企業間の合併・買収を促す政策が、企業の技術開発や競争政策の観点から望ましいのか否かという課題に取り組んでいる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] On the Welfare Effects of Domestic Mergers and Cross-Border Acquisitions.2009

    • 著者名/発表者名
      蓬田守弘
    • 学会等名
      Western Economic Association International
    • 発表場所
      Sheraton Vancouver
    • 年月日
      2009-06-30
  • [学会発表] On the Welfare Effects of Domestic Mergers and Cross-Border Acquisitions.2009

    • 著者名/発表者名
      蓬田守弘
    • 学会等名
      日本経済学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2009-06-06

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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