1) ナイトの初期の哲学的論考 "Ecobomic Psychology and the Value Problem" (1925)の趣旨や意義を考察することにより、いわゆるシカゴ学派と彼との間に横たわる方法論的相違を浮き彫りにした論文「フランク・ナイトにおける社会科学の哲学的基礎づけとデータとしての価値」を執筆、『獨協経済』第85号(2008年11月発行)に発表した。 2) スタンフォード大学のフーヴァー研究所においてFritz Machlup Papers、Friedrich von Hayek Papers、Milton Frideman Papers、Eric Voegelin Papersを調査し、主にマニュスクリプトを中心に資料の複写・収集を行っただけでなく、隣のネヴァダ州に足を伸ばし、フーヴァーダムを見学、同州立大学ラスヴェガス校のLied Library・Department of Special CollectionsにおいてCharles P. and Delphine Squires Collectionを調査し、フーヴァー大統領の書簡等の複写・収集も行った。 3) 科研「20世紀イギリス経済社会改良思想の研究」研究会(2009年3月8日 : 九州大学経済学研究院)において、「フランク・ナイトの経済思想史上の位置をめぐって--その複眼の由来と背景を手がかりに--」と題した報告を行った。 4) 『競争の倫理--F・ナイト論文選--』(高哲男九州大学名誉教授との共訳 : ミネルヴァ書房より2009年5月刊行)掲載の解説「フランク・ナイトの複眼--思索の多面性と重層性--」を執筆。
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