研究概要 |
平成19年度は、「修正Box-Cox変換を組み入れたARMAモデル」の統計的推測方法の確立と経済データへの応用についてTerasaka, T. and Hosoya, Y. (2007), Journal of Japan Statistical Society, Vol. 37, No.1の結果を拡張し、次の成果を出した。1、「修正Box-Cox変換を組み入れたARMAモデル」を4変数間の関係の推定に適用できるよう数値推定法を改良した。2、「修正Box-Cox変換を組み入れたARMAモデル」で、次のマクロ経済変数間の関連性についての検証を実施した。(1)米国の1960年1月〜1979年12月までのFederal Fund rate,90-day Treasury Bill rate, 1-year Treasury Bill rateの3変数の関係を推定した。変数変換を対数変換に限定したモデルと、変数に対する変換を限定しないモデルとの統計的な有意差を、シミュレーションの方法を用いたワルド検定の方法で検定したところ、モデル間に有意な差は検出されなかった。(2)1975年9月〜1998年12月までの日本のコールレート、鉱工業生産指数、マネタリーべ一ス、名目為替レートの4変数間の関係を推定し、(1)と同じ検定を実施したところ、変換を限定しないで推定したモデルが対数変換に限定して推定したモデルより優れているという結果が出た。以上の成果は、Hosoya, Y. and Terasaka, T. (2008) "Inference on Transformed Stationary Time Series" Discussion Paper Series, Noll, Graduate School of Economics, Meisei Universityで公表した。
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