本年度は、昨年度電子化した1999年~2007年度の大学学部データ(クロスセクション)を統合し、パネルデータを構築した。このデータベースは、本研究で行う大学教員の雇用創出・喪失分析だけでなく、高等教育機関に関する実証分析に広く用いることが可能であると思われる。 次いで、上記のデータを利用して大学学部単位の雇用創出・喪失インデックスを作成した。その結果、国立大学の法人化が行われた2003・2004年度前後に教員の流出入が頻繁となっていることが明らかとなった。 一方で、ミクロ計量経済学の方法論に対する必要性から、Copula関数に基づく同時分布のモデリングを行った。具体的には、本研究で扱う「教員数」のように離散分布に従う変数と、「学生数」のように連続分布に従う変数を周辺分布として持つモデルの開発である。この成果はEconometric Society Australasian Meeting(オーストラリア国立大学)にて発表済みである。
|