本研究は最新のネットワーク理論の成果をふまえ、企業間の戦略的R&Dネットワーク形成について米国のIT産業を対象に実証分析をおこなった。その結果、企業間でR&D提携が形成される際の原動力として(1)Closure Preferenceおよび(2)Preferential Attachmentという選好が見られることが統計的に明らかになった。さらに、発明家の転職行動をJob Searchモデルにより定式化し、理論的に予想される仮説を米国の特許データベースに基づき検証した。分析結果から、企業のR&D活動に関する特許の生産性を高めるためには共同研究のネットワークを介した知識の移転が大きな役割を果たしていることが明らかになった。
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