本年度は研究開始年度にあたり、基礎となるテータベースの整備と、解析手法のフィージヒリティスタティーを行った。対象とする産業領域としては、ロボティクス分野とナノ材料分野を選定した。これらの産業領域は複数の学術領域と関係し、特に近年研究開発が加速している領域てあるため、分析に対するニーズが高く、複合領域であるための分析の難易度も高い。 まず最初に、これら2領域の研究開発活動に関するミクロデータを整備した。特許生産活動については、EPO(欧州特許庁)から提供を受けた特許データベース(PATSTAT)を利用して、引用関係を抽出した。また、そのデータをEPOやUSPTOが提供するテータベースから得られる発明人・出願人等の書誌情報と総合し、クリーニングを行い、テータソースの品質確保を行った。 次に、共同発明・共同出願などによる直接的なコラホレーションによって構成される分野の構造、引用・被引用関係によって構成される意味レベルの分野の構造などについて分析を行った。その結果、技術が持つ個別性とともに技術オポチュニティや制度的側面が強い影響を与えていることが判明した。
|