労働市場の世代間分析

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19730167
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 応用経済学
• 研究機関: 一橋大学
• 研究代表者: 黒田 祥子 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (50447588)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• キーワード: 労働供給 / 労働時間 / 余暇時間 / 賃金弾性値 / 賃金決定

研究概要

日本では、1980年代に導入されたいわゆる「時短」政策によって、週休2日が普及したにもかかわらず、特に2000年代に入ってからは長時間労働や過労が社会問題化していた。しかし、日本人がなぜゆとりを感じず、むしろ過労を訴えるようになっているのかについて、経済学の見地から定量的に分析した研究は皆無であった。本研究は、長期不況下において日本人の労働供給行動が変化した可能性や、過去30年間の日本人の労働時間や余暇時間配分を厳密に計測し、日本人の時間配分がどのように変化してきたかを定量的に示した。

研究成果

• [雑誌論文] Do Japanese Work Shorter Hours than before?: Measuring Trends in Market Work and Leisure Using 1976-2006 Japanese Time-Use Survey (2010)
  • 著者名/発表者名: Kuroda, Sachiko
  • 雑誌名: Journal of the Japanese and International Economies (forthcoming)
  • 査読あり
• [雑誌論文] 生活時間の長期的な推移 (2010)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子
  • 雑誌名: 日本労働研究雑誌 No.599、6月号 ページ: 53-64
• [雑誌論文] 日本人の労働時間は減少したか?-1976-2006年タイムユーズ・サーベイを用いた労働時間・余暇時間の計測- (2009)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子
  • 雑誌名: ISS Discussion Paper Series J-174 ページ: 1-40
• [雑誌論文] How are hours worked and wages affected by labor regulations?:- The white-collar exemption and‘name-only managers' in Japan (2009)
  • 著者名/発表者名: Kuroda, Sachiko, Isamu Yamamoto
  • 雑誌名: ISS Discussion Paper Series F-147 ページ: 1-28
• [雑誌論文] Estimating Frisch Labor Supply Elasticity in Japan (2008)
  • 著者名/発表者名: Kuroda, Sachiko, Isamu Yamamoto
  • 雑誌名: Journal of the Japanese and International Economies 22 ページ: 566-585
  • 査読あり
• [雑誌論文] 異時点間の労働供給弾性値の計測:わが国有配偶女性のマイクロ・データを用いた検証 (2008)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子・山本勲
  • 雑誌名: 三田商学研究 第51巻第2号 ページ: 77-92
  • 査読あり
• [雑誌論文] 人々は賃金の変化に応じて労働供給をどの程度変えるのか?:労働供給弾性値の概念整理とわが国のデータを用いた推計 (2007)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子・山本勲
  • 雑誌名: 金融研究 第26巻第2号 ページ: 1-40
• [雑誌論文] Why Are Nominal Wages Downwardly Rigid, but Less So in Japan? An Explanation Based on Behavioral Economics and Labor Market/Macroeconomic Differences (2007)
  • 著者名/発表者名: Kuroda, Sachiko, Isamu Yamamoto
  • 雑誌名: Monetary and Economic Studies, Institute for Monetary and Economic Studies, Bank of Japan Vol.25,No.2 ページ: 45-88
• [学会発表] When do people work?: Measuring trends in work timing with a Japanese time-use survey (2010)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子
  • 学会等名: ESRI International Collaboration Projects 2009
  • 発表場所: 内閣府経済社会総合研究所
  • 年月日: 2010-02-24
• [学会発表] When do people work?: Measuring trends in work timing with a Japanese time-use survey (2009)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子
  • 学会等名: 日本経済学会秋季大会
  • 発表場所: 専修大学
  • 年月日: 2009-10-11
• [学会発表] When do people work?: Measuring trends in work timing with a Japanese time-use survey (2009)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子
  • 学会等名: 31st International Association of Time-use Research学会
  • 発表場所: Leuphana大学<ドイツ>
  • 年月日: 2009-09-23
• [学会発表] How are hours worked and wages affected by labor regulations?:- The white-collar exemption and‘name-only managers' in Japan (2009)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子
  • 学会等名: Econometric Society Far Eastern and South Asia Meeting
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 2009-08-04
• [学会発表] 家計別インフレ率の分布とその持続性:食料・エネルギー価格の高騰が家計に与えた影響 (2009)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子
  • 学会等名: 日本経済学会春季大会
  • 発表場所: 京都大学
  • 年月日: 2009-06-06
• [学会発表] ホワイトカラー・エグゼンプションは労働時間を増やすか? (2008)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子
  • 学会等名: 日本経済学会秋季大会
  • 発表場所: 近畿大学
  • 年月日: 2008-09-15
• [学会発表] 1976-2001年タイムユーズ・サーベイを用いた労働時間・余暇時間の計測～日本人は働きすぎか? (2008)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子
  • 学会等名: 日本経済学会春季大会
  • 発表場所: 東北大学
  • 年月日: 2008-05-31
• [学会発表] 1990年代後半の労働供給弾性値の変化の背景:マイクロ・データを用いた検証 (2007)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子
  • 学会等名: 日本経済学会秋季大会
  • 発表場所: 大阪学院大学
  • 年月日: 2007-06-03
• [図書] 「日本人の労働時間:時短政策導入前とその20年後の比較を中心に」、『労働時間改革』第3章 (2010)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子
  • 総ページ数: 33-51
  • 出版者: 日本評論社
• [図書] ホワイトカラー・エクゼンプションの働き方への影響」、『労働時間改革』第6章 (2010)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子・山本勲
  • 総ページ数: 97-113
  • 出版者: 日本評論社
• [図書] 「労働供給弾性値はどのように変化したか?-マクロとマイクロの双方の視点から」、『応用ミクロ計量経済学』第4章 (2010)
  • 著者名/発表者名: 黒田祥子・山本勲
  • 総ページ数: 91-130
  • 出版者: 日本評論社