平成19年度は、我が国における教育の不平等の現状を明らかにすることを目的とした研究をおこなった。近年、教育格差拡大の議論があるが、そうした議論を数量的に裏付ける研究と位置づけることができる。具体的には、国勢調査の集計データを用いて次の3点に関する分析をおこなった。 ・教育ジニ係数等の不平等指標の算出 ・教育の不平等の時系列の変化 ・男女別・都道府県別の教育不平等度の比較 なお、古い年代のデータは手作業で入力する必要があったため、多少の時間を要したことを付記しておく。この研究から得られた結論は次の3点である。 ・教育分配の不平等度は全体としては低下傾向にある ・男女を比較すると、女性のほうが教育分配は平等である ・平均就学年数と教育ジニ係数の間には逆U字型の関係がある 研究成果は、新潟大学のディスカッションペーパーとして公表したのちに査読付きの学術雑誌に投稿し、掲載が内定している状態である。
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