研究課題
本研究は、平成19年度から3年計画で、中国におけるエコラベルに関する経済分析を最終目的としている。平成21年度には、研究実施計画の通り、平成20年度に行われたアンケート調査のデータを分析し、その結果を一本の学術論文にまとめた。また、その論文を中国上海交通大学に開催された政策研究セミナーで報告した。このアンケート調査は中国における企業が中国エコラベルまたはISO14001(国際標準規格14001)を認証する行動に影響を及ぼす要因が明らかにすることを目的としていた。具体的な手段および結果は以下のように列記する。1、 調査の概要平成20年9月-10月の期間に、上海を含む長江デルタ地域に立地している製造業の270社の企業に、面接方式で調査を実施した。270社の企業の抽出は、規模や業種などの偏りを考慮したうえで行われた。2、 得られた主な結果1) 中国資本のみの企業より、外国資本がある企業の方はエコラベルまたはISO14001を認証する確率が高くなる。2) 市場競争が厳しくなればなるほど、企業がエコラベルまたはISO14001を認証するインセンティブは高くなる。3) 製品のオリエンテーションに関して、海外市場向けの企業は、中国の国内市場向けの企業と比べて、エコラベルまたはISO14001の認証に対するインセンティブが高くなる。4) 企業の規模は、その企業がエコラベルまたはISO14001の認証行動に強い影響を与える。5) 上場企業であるか否かに関する要因は、エコラベルまたはISO14001の認証行動に影響を与えない。6) 企業の主要顧客がどのような企業であるかに関する要因は、ISOI4001の認証に影響を及ぼすが、エコラベルの認証と無関係である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Journal of Environmental Management 90
ページ: 3561-3573
Working Paper in Experimental Social Science, Eepss-E-11, Osaka University.
ページ: 1-19