研究課題
平成19年度では、翌20年度から本格的に行う計量分析に必要となる事前調査とデータ整備、さらに基本的な分析を行った。具体的な作業は以下の3つである。第一に、計量分析を行う上で必要となる、海外を中心とした先行研究の詳細なサーベイである。これにより、分析モデル、計量分析の手法について、有益な情報を得ることができた。第二に、分析で用いるデータベースの構築である。ここでは、株価データにより計算されたCAR(累積超過収益率)と財務データなど異なるデータセットを対応させる作業をはじめとして、かなりの労力を要した。具体的な作業としては、イベントとなるM&Aについては、レコフ社の『日本企業のM&Aデータブック』及び『M&A専門誌marr』を利用した。次に、こうしてイベントを特定した上で、ライバル企業である同業他社の選択を行った。この選択を行う上では、各産業に属する企業に関して詳細な知識が必要であったが、この点については、日本経済新聞社『日経 会社情報』や東洋経済新報社『会社四季報 業界地図』等を利用した。次に、ライバル企業の財務データを、各イベントごとに対応させ、データベースの構築を行った。第三には、こうして作成したデータベースの一部を用いて、簡単な分析を行い、この成果について、イスタンブールで行われたコンファレンス(The Global Business & Economics Research Conference)で報告を行った。これにより、計量分析の一連の流れ、問題点等を把握することができた。以上の成果を基に、翌年度からは本格的に計量分析を行っていく予定である。
すべて 2007
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The Business Review, Cambridge Vol.8, No.1
ページ: 240-244