研究概要 |
Choice for FDI and Post-FDI Productivity, RIETI Discussion Paper, 07-E-049,(経済産業研究所)において、サービス産業と製造業がそれぞれ海外進出を選択する要因や、海外進出後の生産性の変化がどのように異なるかを分析した。本稿の分析では上記の2点において、サービス産業の企業と製造業の企業との間の違いを確認した。海外展開の選択において、サービス産業では主に高い生産性を既に持っていることが進出要因となり、製造業では生産性よりも、大きな事業規模を持っていることが進出要因となっている。また、海外進出後の生産性や情報関連投資については、サービス産業は製造業に比べてその成長率が高いことが分かった。またサービス産業では、海外展開を通じて、もしそれがなかったとしても得られていたであろう成長率よりも有意に高い成長率が確認できた。 http://www.rieti.go.jp/en/publications/summarv/07080006.html参照。 この研究結果の意義として、(1)海外展開が企業の生産性を高める要因の一つであることを精緻に確認したことと、(2)製造業とサービス業の対比を統一的な基準で比較した点で、これまでの少ない先行研究を補完するものであること、が挙げられる。 今後の課題としては今回扱った、参入要因だけでなく、事業の継続性や退出要因をさらに、比較そして考察していく作業が必要であると考えている。
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