研究課題
平成20年度の成果(1) 具体的内容学会発表では、サービス業と製造業とで日本企業の海外展開の動機がどのように異なるのか、そして海外展開後の生産性がどのように異なるのかを発表した。(学会発表後改訂した論文を査読申請中である。)上海での実地調査では、東南アジアの華僑文化圏と中国との結びつきや、それが東南アジア圏の企業行動に及ぼす影響を調査し、日本の海外展開活動との比較を行った。また、この研究の過程で、日本のサービス業の低調な海外展開や、内需志向に依存している特徴を強く認識し、サービス業の活性化のあり方、政策的な取り組みの是非についても論文にまとめた。さらにサービス産業に対する政策的規制の是非を論ずる際に、医療サービスを考察の中心とすることで、問題をより具体的に扱うこととした。医療サービス産業に関する研究調査はまだ途上であるが、今後医療サービスに関する成果評価・生産性評価をさらに進めたい。(2) 意義・重要性企業行動の動機とその結果を比較する際に、ある時点で最も類似した特徴(設立年・産業・規模・子会社数)をもつ2社を事前と事後で比較するという手法(Propensity Score Matching)を用いた。これはある事象のインパクトを、なるべくそれ自身の影響のみを抽出して評価する方法として注目されている。ただし、そもそもサービス業において、その生産性をどのように定義し、計測してゆくか、という点については、評価手法が統一的でなく、産業ごとの特性の違いがあるため、今後も検討を要する。医療サービスの生産性や成果評価については、約75000人に対する健診履歴、受診履歴のデータを活用している。これは医療分野においても非常に貴重なデータベースである。来年度は、生活習慣病特定健診・特定保健指導に対する政策評価を本格的に進める予定である。
すべて 2009 2008
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平成20年度厚生労働科学研究費補助金総括研究報告書 1(未定)
Ph. D. Dissertation, Brown University 1
ページ: 1-109
東京経大学会誌 261
ページ: 45-74