研究概要 |
1.[研究内容」平成19年度においては,地域人口長期将来推計(推計期間30年)を実施した。具体的な推計対象地域としては,三大都市圏の-つ大阪圏り中核をなす大阪府を対象とした。ただし,研究と用いた推計手法を利用して,他地域の人口推許をするとは勿論可能である。 2.[推計手法1]当該研究のポイントの-は,国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」という)が実施している「都道府県別将来推計人ロ』において設定されている純移動率とは異なり,近年の都心への人口回帰動向等を反映して導出された独自の純移動率を用いる点である。具体的には,簡略生命表の作成方法を援思した導出方法により,当該純仮定値を導出したしまた,出生率についても,社人研が設定している国の低位仮定値を基に,大阪府版の低位仮定値を用意した。 3.[推計手法2]もう-つのポイントはシミュレーション方法である。上述のとおり導出された地域特性を反映する仮定値を用いたうえで,仮疋値が確率的に分散することを前提とするランダム・シナリオ法(Random Scenario Method)によるシミュレーシヨンを実施した。 4.[研究の意義・重要性等]本研究で用いた推計手法は以下の二つの意義・重要性笠を有する。(1)地域人口推計において一番ポイントとなる社会移動を,より足許のデータを利用して推計できる。(2)将来入口を確率分布として推計することができ,その結果,よりきめ細かい将来予測ができる。 5.[公表等]平成19年度研究の進捗状況は,推計手法の開発,推計結果の導出並びに論文の一部執筆までとなっている。そのため,なるべく早い時期に,当該論文の完成,学術雑誌への投稿等まで進めたいと考えている。
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