1. [研究-内容・意義]平成20年度においては、各地域人口を規定する大きな要因である「人口移動」に関する分析を実施した。具体的な推計対象地域としては、三大都市圏の一つ大阪圏の中核をなす大阪府を対象とした。ただし、研究に用いた推計手法を利用して、他地域の人口推計をすることは勿論可能である。 当該分析の結果からは、地域間人口移動の要因に関する諸々の知見を得ることができる。そして、今後、得られた知見を基にして国土利用の在り方等を思考することが可能となるであろう。 2. [推計手法]地域間の人口移動に関する要因分析手法として、Gravitv Modelを利用した。そして、人口移動の要因として、地域間距離、各種経済・社会要因、並びに公的セクターにおける財政要因、歳出要因まで考慮することを計画した。特に、人口移動の要因分子分析の基本である上記モデルに、公的セクターにおける財政要因、歳出要因を加えるところをポイントとし、自らの先行研究の手法を用いて、地域毎・行政分野毎の公共財供給量や社会資本ストック量を説明要因の候補として考えた。 3. [推計手法の修正]しかし、分析を進めていく過程で、モデルの説明変数間での多重共線性(multicollinearity)が問題となった。そのため、現在、モデルの説明変数の選び直し、モデルの修正等に鋭意努めているとこである。 4.[公表等]平成20年度内では、上記3で説明したとおり、当初想定していた分析の修正までにしか至らなかった。そのため、今後、なるべく早い時期に、修正分析の完了、論文の作成、学術雑誌への投稿等まで進めていきたいと考えている。
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