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2007 年度 実績報告書

アジア諸国の債券市場に影響を与える要因と市場整備に対する政策についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 19730231
研究機関京都産業大学

研究代表者

猪口 真大  京都産業大学, 経営学部, 講師 (60387991)

キーワードアジア / 金融システム / 債券市場 / 国債 / 社債 / 資本移動 / 資金調達 / 途上国金融
研究概要

平成19年度においては、データベースの購入やデータの整理、資料の収集など来年度の研究の準備を行うとともに、アジア諸国のソブリン債についての論文"Influence of ADB Bond Issues and US Bonds on Asian Government Bonds"を完成させた。これは12月に査読付きのJournalに掲載された。このほか、関連する報告を学会で行った。
本稿は、現在国際機関等によって実施されている債券市場整備への支援が何らかの効果を持っているのかどうかや、アジアの債券市場における国際的相関の有無に関する議論に貢献するものであり、関連する先行研究は非常に少ない。具体的には、香港、シンガポール、タイの国債の利回りデータを用いて、これらと米国国債の利回りとの連動性、さらに、こうしたアジア諸国の債券に対してADBの現地市場での債券発行が与える影響を明らかにした。はじめに、各国の債券市場を簡単に概観し、アジア諸国の債券市場が拡大していることを示した上で、実証分析の内容とその結果を示している。分析にあたっては、日次データの変動を考察すると共に、EGARCHによる推定も用いた。分析の結果、すでに米国国債のレートの変動は、シンガポール、タイ、香港の国債のレートの変動と正の相関があることが示された。また、回帰分析からは、ADBの現地市場での債券発行が、シンガポールとタイの国債レートをわずかではあるが低下させる方向に影響を与えていることが示唆された。すなわち、ADB債の発行は、シンガポールとタイの国債のリスクの評価に影響を及ぼしている可能性がある。本稿の分析により、すでにアジア諸国における債券市場の国際的相関は高まっており、また、国際的な資本移動がより活発化する状況の下、ADBなど国際的機関等の支援がアジアの債券市場の発展に貢献しうることが示唆されたといえよう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Influence of ADB Bond Issues and US Bonds on Asian Government Bonds2007

    • 著者名/発表者名
      猪口真大
    • 雑誌名

      Asian Economic Journal 21

      ページ: 387-404

    • 査読あり
  • [学会発表] 東アジア諸国における国債の国際的相関とADBの債券発行の影響2007

    • 著者名/発表者名
      猪口真大
    • 学会等名
      日本金融学会
    • 発表場所
      麗澤大学
    • 年月日
      20070500

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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