19年度の研究実績は(1)コミュニティ的マネジメントに関する文献の渉猟、(2)質問紙調査の準備、(3)日本的なマネジメントに関する研究発表の3点である。 (1)コミュニティ的マネジメントに関する文献を渉猟:コミュニティ的マネジメントを捕らえうるために、初年度として広く文献を渉猟した。主にハバーマスのコミュニケーション理論や共同体組織に関する社会学の諸研究と米国で研究がなされている協同的企業(colaborative firms)に関する文献、日本的経営に関する既存研究の検討を行った。共同体的なマネジメントにおいても、その多様性があり、今後引き続き文献の検討を行ったうえで、整理分類をする。 (2)質問紙調査の準備:コミュニティ的な職場に焦点を当てた質問紙調査を準備した。このうち1つは助け合う職場を検討するもの、もう一つは知識を教えあう職場を検討するものである。調査は20年度以降に実施される予定である。職場の項目としてコミュニケーションの手法でや知識を教えあう文化、生理整頓などのルールと個人の項目として、組織を背負う意識や組織へのコミットメントを含む質問紙を、欧米の既存研究をベースに作成した。 (3)日本的なマネジメントに関する研究発表:これまでの研究をコミュニティ的なマネジメントの視点から、改めて検討し、2つの論文と2つの海外での学会発表という形で研究の発表を行った。主にこれまでの研究成果の発表だが、発表を通じて、コミュニティマネジメントに関する知見を多く得ることができた。
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