研究概要 |
理論面については,B to C市場についての先行研究を地域活性化の観点からサーベイし,沖縄県をはじめとした非都市部での取り組みやその分析についての情報を入手するとともに研究手法についても有意義な示唆を得た。地域ブランドについては,その定義や事例を文献やウェブ上の情報をもとにサーベイし,本研究が対象とする地域ブランドの範囲が明確になった。 他方,実態調査については,地方でB to Cに取り組んでいる複数の企業,地域のオンラインモール運営会社,地域活性化とB to Cの連携に取り組んでいる組織,これからB to Cに取り組むことを計画している企業などのヒアリング調査を行った。これらのケーススタディから,B to Cを地域活性化に活用する場合の示唆を得ることができた。具体的には,地域情報の発信とインターネット上での地域ブランド化,地方の小規模店舗のコラボレーション,広告手段としてのB to Cの可能性,仕入に関する交渉力向上の可能性,B to C活用の段階などである。 平成19年度の研究から,地域活性化の手段としてのB to C,および地域ブランドの活用法に関する研究の準備および基礎固めができ,次年度の研究に繋げることができた。このことは次年度のヒアリング対象の選定,事例の一般か,さらなる理論研究の発展などに繋がる。本研究の対象は,実践されることはあっても,その特徴の抽出や一般化,他地域への適用法の提案などはまだなされていない。その意味においても,同分野の研究や同様の実践に貢献できたのではないかと考える。 なお,平成19年度の研究の成果は,次年度の前半に国内外の学会で報告する予定である。
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