理論面については,B to C市場についての先行研究を地域活性化の観点からサーベイした。地域ブランドについては,その定義や事例を文献やウェブ上の情報をもとにサーベイした。またB to Cに対する消費者アンケート調査や実態調査についてもサーベイを行った。 他方,実態調査については,地方でB to Cに取り組んでいる企業からのヒアリング調査を行った。調査から,地方におけるB to Cの利点と課題が抽出された。具体的には,商圏,物流,人材,情報収集などの観点である。さらにはB to Cに対する消費者行動を明らかにするために,地方と都市部の複数の大学でアンケート調査を行った。調査では1800票ほどの回答を得たが,そこから,ネットショップのサイトの閲覧と購買行動との差,実店舗指向が強い消費者行動,商材毎の利用・非利用の実態と要因,地域性などが明らかになった。これらの研究成果を論文2本および学会発表1件で公表した。平成21年度に公表できなかったものについては,平成22年度に公表する予定である。 本研究の対象は,実践されることはあっても,その特徴の抽出や一般化,他地域への適用法の提案などはまだなされていない。その意味においても,同分野の研究や同様の実践に貢献できたのではないかと考える。
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