研究概要 |
「ソーシャル・イノベーション・クラスター」という新しい概念を構築するために,第一段階として「ソーシャル・イノベーション」に関する欧米における既存研究の文献サーベイを実施し,従来のイノベーション研究やクラスター(産業クラスター)研究など先行研究の蓄積を活用できる部分と,新しい枠組みを創出しなければならない部分についての整理を行った。特に今年度は,NPOの活動領域.(アメリカではソーシャル、セクターとみなされる領域)におけるソーシャル・アントレプレナーシップ(社会的企業家精神)や,社会卵課題を解決するための新しい仕組みの開発がどのようなプロセスを経て生み出されてきたのかについて重点的に文献調査を行ってきた。また,日本国内の先進的な事例研究として,社会的企業家(ソーシャル・アントレブレナー)の方々へのインタビュー調査を実施し,現状を把握、確認するとともに,彼らの創造的、革新的な企業活動、NPO活動がどのようにして生み出され,また専門分野や専門領域を超えたつながり,ネットワークがどのように形成されているのかについて確認した。 これらの文献調査に,過去に実施した米国サンフランシスコ調査データを活用し,2007年度組織学会研究発表会(於:京都産業大学)において,「ソーシャル・イノベーション研究の可能性-ソーシャル・イノベーションが組織研究にもたらすもの-」と題して大阪市立大学稲葉祐之准教授等と共同で学会発表を行っている。
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