| 研究概要 |
本年度は研究初年度であるため,文献サーベイを中心に研究を進めた。特に,製造企業における技術の多角化をめぐる諸研究に関する文献サーベイを重点的に行い,いくつかの基本的な事実に関する確認を行った。すなわち,様々な実態調査からは,近年,特定の製品・事業領域において製造企業が競争力を発揮する上で,より多様な技術ポートフォリオが企業に必要とされるようになっており,技術ポートフォリオの多様性は,事業の多角化の程度を上回っていることが明らかにされている。また,このような技術の多角化は,取引費用や技術的な相互依存性などを背景として進行することなどが指摘されている。さらに,技術の多角化はイノベーションを促進するとともに,研究開発を活性化することも示されている。
以上のように経営現象としての実態と重要性について過去の研究から確認するとともに,これらの事実を踏まえたうえで,技術的多角化と国際研究開発の展開とのダイナミックな関係について概念的フレームワークの検討を行った。また,特許データの体系的な収集作業を行い,いくつかの予備的分析を行った。研究成果については,順次,論文・学会等で報告する予定である。
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