まず、国際研究開発に関わる国内外の特に近年の研究動向に関して、網羅的な研究サーベイを実施した。国際研究開発に関する研究は、おおよそ1970年代から見受けられ、国際研究開発の実施要因や海外研究開発拠点の役割、実施内容などの定性的・定量的分析等がなされてきたが、近年ではその成果の分析へと研究が展開している。先行研究では、国際研究開発の成果は主に事例研究などで明らかにされているほか、質問紙調査や、企業による特許の取得を研究開発の成果の代理指標とすることによって計測されてきたことが研究サーベイから明らかになった。 また、東洋経済新報社『海外進出企業総覧』の各年度版を利用し、日本の電機メーカーにおける国際研究開発の実態およびその時系列的な立地の変化に関して定量的なデータの収集と分析を行った。さらに、このデータに接合する形で、国際研究開発に関する親会社・海外子会社の特許データの収集と分析を行っている。 以上の作業を通じて得られた知見に関しては、学内の研究会において部分的に報告を行っているほか、今後学術雑誌への投稿等を予定している。
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