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2009 年度 実績報告書

変革的人材のマネジメント―適応パースペクティブからの探求―

研究課題

研究課題/領域番号 19730267
研究機関法政大学

研究代表者

小川 憲彦  法政大学, 経営学部, 准教授 (30434179)

キーワード人材育成 / 組織社会化 / 組織社会化戦術 / 役割反応志向 / 組織文化 / 組織適合 / 企業選択 / 特性的自己効力感
研究概要

新人に対して行われる組織からの一連の教化施策を社会化戦術と言う。先行研究では、与えられた役割を従順に遂行する人材の育成には制度的な社会化戦術が有効であり、手順に工夫をこらしたり、役割自体を変えてしまうような変革的人材を育成しうるのは、個人的社会化戦術であるとされてきた。
OGAWA(2009)では、しかし、社会化戦術より、むしろどのような知識を教え込まれるのかが重要なのではないかという仮説を検討した結果、やはり、そこで学習された内容こそが関係していることを見出した。
研究者は特に学習される組織文化に注目し、まず企業の組織文化を測定・同定することを試みた。なお、組織文化とはある組織の成員によって共有されている価値観である。小川・大里(2010a)では、上場企業への調査から、進取性等の6次元の組織文化を見出し、これらと社会化戦術との関連を実証した。この結果、物事に積極的、行動的に働きかけることをよしとする価値観(進取の文化)を重視する企業では、制度的社会化戦術が用いられやすいことなどが見出された。つまり、変革志向性を含意する進取の文化ゆえに、企業は社員を積極的に教育するが、同時に、そのような企業では制度的な社会化戦術が採用される傾向にあり、結果として保守的な人材が育成されてしまう可能性があるというジレンマが見出された。なお、社会化戦術と従業員の役割反応との関係を組織文化(進取性)がどのように左右するのかについては、今後の取り組むべき課題として残っている。
一方で、そもそも変革志向の人材はその性格特性に適合的な組織を選択するのではないかという仮説に基づいて、特性的自己効力感(自分が環境に働きかけることができると感じている感覚)の高低と会社の選択との関係に取り組んだのが小川・大里(2010b)であり、自己効力感の高い学生は自身に適合的な社風の組織を希求する傾向にあることが見出された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 組織文化と組織社会化戦術の関連2010

    • 著者名/発表者名
      小川憲彦
    • 雑誌名

      組織科学 (投稿中:原稿は『イノベーションマネジメント研究センター・ワーキングペーパー』No.97)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大学生の就業先選定基準の探索-ポリシー・キャプチャリング法を通じて-2010

    • 著者名/発表者名
      小川憲彦
    • 雑誌名

      産業・組織心理学研究 (投稿中:原稿は『イノベーションマネジメント研究センター・ワーキングベーパー』No.98)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role Innovative behaviors within the Process of Organizational Socialization2009

    • 著者名/発表者名
      OGAWA Norihiko
    • 雑誌名

      経営志林 46(1)

      ページ: 35-50

  • [学会発表] 大学生の就職先企業選びにおける意思決定2009

    • 著者名/発表者名
      小川憲彦
    • 学会等名
      人材育成学会第7回年次大会(論文集,103-106頁)
    • 発表場所
      杏林大学三鷹キャンパス
    • 年月日
      2009-12-13
  • [学会発表] 大学生の就業先選定基準-ポリシー・キャプチャリング法を通じて-2009

    • 著者名/発表者名
      小川憲彦
    • 学会等名
      経営行動科学学会第12回年次大会(論文集,234-237頁)
    • 発表場所
      東京工業大学大岡山キャンパス
    • 年月日
      2009-11-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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