今年は、アジア、とりわけ、東南アジア5力国(シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン及びベトナム)と中華人民共和国の4拠点(北京、大連、西安、上海)に所在するゲーム開発スタジオ及びCGスタジオを訪問し、開発プロセス及び、各プロジェクトの現状について半構造化面接を実施した。また各国に存在するICT政策関連団体やゲーム産業関連の団体も訪問し、政策的視点からも状況を確認した。またヒアリング調査を実施した企業の中から、3社が標準化に関わる検証研究に参加し、筆者の提示した3つのサンプル画像から3DGCを制作。日本側の企業4社に協力を仰ぎ、それぞれのサンプルを原画と比較し、その品質について検証した。この場合も半構造化面接をおこない、現在はここでの回答内容を出来る限り忠実にテープ起こしを行っている。ただ時間的制約から、これらを詳細に分析するまでには至っていない。 ただし、訪問した企業のコンテンツ開発プロセスに関する調査結果の整理を先行で進めることが出来た。調査の結果、コンテンツの素材開発に特化した企業、発注側の仕様に応じてコンテンツを全て開発する企業、またはその両方を行う企業など様々な体系化が進んでいることが確認できた。ただし多くのクライアントの多くを欧米企業が占めているのも事実であり、日本企業がこれらの企業と連携するにはそれに見合う訓練や標準の確率化が不可欠であることも確認出来た。 次年度は、インド、ロシアなど他のゲーム開発新興国を中心に開発スタジオも訪問しながら、ゲーム産業における後発国と先進国をつなぐための指標や各国におけるコンテンツ開発の特徴を整理し、更なる分析を進める。
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