研究課題
本研究は、新規学卒者の初期キャリア発達段階における組織適応プロセスを明らかにすることを目的としている。昨年度の研究活動を踏まえ、本年度は研究課題の最終年度として以下の点を行った。第1に、昨年度取得した質問紙調査データ(2006年度入社新規学卒者に対する2年目縦断的調査、2007年度入社新規学卒者に対する1年目横断的調査)の分析結果を整理するとともに、調査協力企業への結果報告を行った。第2に、今年度新たに「2006年度入社新規学卒者に対する3年目縦断的調査」、「2007年度入社新規学卒者に対する2年目縦断的調査」、「2008年度入社新規学卒者に対する1年目横断的調査」の各調査をについて、質問紙を作成して実施した。第3に、上記の昨年度及び今年度取得したデータに対して統計解析作業を行い、学会での研究発表ならびに論文化の作業を行った。以上の研究活動の結果、(1) 新規学卒者の組織適応を促進する「入社後の適応要因」として、企業が新規学卒者の組織適応を促進するために行う「組織社会化戦術」の重要性が明らかになったが、組織社会化戦術と新規学卒者の組織適応との関係は、他の変数を媒介した間接的関係である可能性が示唆され、(2) 「入社前の適応要因」として、新規学卒者が就職活動時に行う「キャリア探索行動」が入社後の適応に重要な役割を果たす可能性が示された。なお、研究成果の一部は、Academy of Management(AOM)やInternational Federation of Scholarly Associations of Management (IFSAM)、Academy of Human Resource Development (AHRD)などの国際学会、組織学会や日本労務学会、経営行動科学学会などの国内学会で発表されるとともに、国内外の専門雑誌に論文が投稿された。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (16件)
産業・組織心理学研究 22巻2号
ページ: 97-114
International Journal of Human Resource Management 20巻4号
ページ: 928-952
International Federation of Scholarly Associations of Management (IFSAM) 9th World Congress Paper Proceedings 9(pub lished in CD ROM)
ページ: 36