研究概要 |
本年度は,日本の家庭用テレビゲームソフトの製品開発についての実態を明らかにするために,1984年から1994年までに発売された任天堂のファミリーコンピュータ用ソフトに関する全数調査を行った.本研究は,そこでの主たる調査結果のうち,特定の家庭用テレビゲーム機(プラットホーム>向けに開発されたソフトは,他のプラットホームに向けて同時に供給されていないという事実に着目し,なぜそのような製品開発の実態が一般的であるのか,さらに,このような製品戦略が企業に有利な結果(利潤)をもたらしているのかについて検討を行った.研究成果は,2007年12月5日にオタゴ大学において開催されたAustralian & New Zealand Marketing Academy Conference 2007で,"Platform Strategy of Video Game Software: Theory and Evidence"という論題で成果を報告した. また,1994年の年末商戦期に(次世代の業界標準機をめぐる競争が激化した時期に),ソフトメーカー各社がソフトを発売する際,当該ソフトの供給先として代替的な複数のプラットホームのなかからある特定のプラットホームを選択する意思決定行動について検討し,その規定因を実証的に明らかにした.研究成果は,「家庭用テレビゲームソフトのプラットホーム選択行動の分析」(南山大学経営研究センターワーキングペーパーNo.0702)としてとりまとめた. 上記2本の論文については,さらなる内容の改訂作業に取り組む余地が残されている.
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