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2008 年度 実績報告書

日米中小法人の役員給与支給におけるモラルハザードの発生と防止に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19730297
研究機関北海道大学

研究代表者

櫻田 譲  北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (10335763)

キーワード役員給与 / 役員報酬 / 役員退職慰労金 / 役員賞与 / 中小法人 / 法人税法 / 実証研究 / 損金算入限度額
研究概要

わが国法人における役員給与支給では機会主義的なお手盛り支給が横行すると考えられている。そしてそのようなお手盛り支給を予防する目的も兼ねて平成18年の税制改正がなされたが、依然として類似業種、同規模の法人の報酬等を基準として損金算入限度額計算額を行っている。役員給与の損金算入限度額計算において、本来であれば当該企業の役員の実態を示す諸資料によって総合的に損金算入限度額を算定すべきであると考えられるため、現行法規定は問題なしとしない。そこで本論文では1, 265名の役員報酬の支給データを用いて、法人と役員との個別的事情とはいかなる要因を指すのかについて実証水準で明らかにした。
本論文では役員の個別的事情として持株比率・通算役員年数・常勤か否か・同族か否かをとりあげ、支給される役員報酬額の多寡との関係を分析している。そして中小法人における役員報酬の支給行動にういて、役位別・業種別に分析した結果、次の結論を導出した。(1) 役員報酬額の分布特性にようて役位別に2グループに分かれるが、そのグループは監査役や会長などを含む代表権者等と、平取締役や使用人兼務役員を含む専務常務等である。(2) 役員報酬額の多寡は企業規模と正の相関があり、それは全ての役位・全ての業種にあてはまる。(3) 製造業と販売業において代表権者等へ支給される報酬額の多寡は持株比率の多寡と正の相関がある。(4) 建設不動産業とサービスその他の業種において代表権者等へ支給される報酬額の多寡は通算役員年数と正の相関がある。(5) 使用人兼務役員へ支給される報酬額の多寡は従業員賞与と負の相関があり、それは全ての業種にあてはまる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 法人税法規定と役員給与支給におけるモラルハザード2008

    • 著者名/発表者名
      櫻田譲
    • 雑誌名

      税務会計研究第19号

      ページ: 213-225

  • [学会発表] 中小法人における役員報酬の支給行動にういて〜階層化による分析と役員退職給与支給との関係〜2009

    • 著者名/発表者名
      櫻田譲
    • 学会等名
      北日本会計学研究会
    • 発表場所
      北海道大学大学院経済学研究科113教室
    • 年月日
      2009-02-14

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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