本研究では、企業結合(企業買収や企業合併等を内包する概念)が合併企業に及ぼす影響について、会計的観点から考察を加える事を目的としている。 具体的には、本研究では、アニュアルレポートで公表される財務情報に基づいて、企業結合の実務の一部分としての会計処理を分析する。日本企業から抽出したサンプルと、フランス企業から抽出したサンプルで2つの標本を作り、統計的・計量的分析を通じて適切な情報を比較する。 この全体的な検討をした上で、企業の業種や規模、外国上場の有無、利益率などといったいくつかの因子の影響に関して回帰分析を行う。サンプル対象企業は、10年間にわたって上場している企業から抽出する(各国500から1000社程度を予定)。 平成20年度においては、本研究における分析モデル構築のための予備調査およびサンプリングを行った。平成20年度において収集したデータをもとに、統計的・計量的分析を平成21年度に行う予定である。従って、その質的、量的な充実度合いが直接的に、分析の成否に影響を与えるといっても過言ではない。その意味において、平成20年度のデータ収集は非常に重要であった。平成20年度の準備段階におけるデータ収集の結果、日本企業700社、フランス企業700社のデータを収集した。最終的なサンプリングの結果、サンプルとして日本企業415社、フランス企業415社を設定した。
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