本年度の研究の成果としては、当初より実施計画の中で示していた通り、(1)質問票調査の実施によるサンプルの収集、(2)関連する先行研究の整理、を主として実施した。 (1)の研究過程では、Kolb &Kolb(2005)に基づき、学習スタイルと文化的差異の関連性を調べるための質問票を作成し、それらを研究協力を受け入れていただいた日本とオーストラリア両国の大学で、ビジネスを学ぶ学生を対象に実施した。サンプル収集は両国の学生とも分析に十分な分量を得ることができた。 (2)の研究過程では、主として諸外国で展開されているテーマに関わる文献をレビューし、これまでの研究の範囲と限界点を明らかにし、本研究が新規性を示すことができる可能性をより明確にした。また、オーストラリアで類似する領域を研究している研究者をたずね、今日、学術的にどのような具体的問題点が国際的に議論されており、かつ、どのような未開拓な問題点が存在するかについてヒアリングも実施した。これらの研究成果は、来年度より継続する研究の目的を遂行する上で、とても重要な要素となる。現時点で明らかとなった修正点、例えば追加に実施する必要となった質問項目については、これまでの研究成果を反映させながら、来年度にもう一度、質問票調査を実施することとした。 また、文献のレビューで本年度に集約した内容および質問票調査で得られたデータの単純集計と解釈は、本年度に開催された複数の学会において、中間的な成果として、学会報告を行った。
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