インタンジブルズ管理に関する理論構築に向けて文献研究を中心に行った。インタンジブルズ管理は会計以外の隣接諸科学で研究対象とされることが多いため、学際的な研究を心がけた。とくに、経営学、マーケティングの領域での先行研究についての考察を重視した。具体的には、インタンジブルズのうちイノベーション論、ブランド論について考察を重ねた。年度の前半ではそれらの隣接諸科学での知見をもとに、管理会計がインタンジブルズ管理を支援することの合理性について研究し、日本管理会計学会九州部会にて報告した。報告時に得たご意見やコメントを参考に、後半ではインタンジブルズのうち研究対象をブランドに絞り研究を進め、タイで開催されるAsia-Pacific Management Accounting Forumにて報告を予定していた。しかし、タイ国内の政情が不安定であることから、度重なる延期の後、08年度のフォーラムは中止となった。そのため、準備を終えていた英語での報告ができず、また報告に対するコメントを得ることができなかった。だたし、補助金のうち旅費として使用する予定だった金額を文献購入に充てることができたため、文献研究を当初予定していたよりも進めることができた。その研究成果については09年度に公表したいと考えている。
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