本研究では、日本の市民社会の現状を、生活クラブ生活協同組合の活動層に注目して分析を試みた。かつて、班を組織の最小単位として活動してきた生活クラブは、現在、個人を単位とする組織へと変化を余儀なくされた。それにともなって、活動層の再生産も、班を供給源とするやり方から個人にターゲットを絞った方法へと変化している。その結果、特定の人間の役職への就任期間が長期化すると同時に活動層の絶対数を確保することが難しくなった一方で、活動層の質は、相対的に高い自発性に支えられ、さらにリーダーとしてのスキルは向上している。
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