本研究は、日本とドイツを対象として、「成果主義化」と総称される今日の貸金決定ルールの変容とそれをめぐる労使紛争の実証的・理論的検討によって、昨今の賃金論における混迷状況を取り除き、変化をより的確に把握しうる視座を構築可ることを目指すものであるが、平成19年度においては、研究実施計画にもとづき、現代日本における成果主義の実態についての分研、類型化を行い、それをめぐる諸紛争について検討した。 そのさしあたりの研究成果として論文「成果主義を考える」(季刊自治体労働運動研究27号)を公表した。そこでは 1 現代日本において「成果主義」と称される人事・賃金の変容には、大きく年齢給・勤続給の廃止・縮小、格付け制度の再編、「個人業績」の反映一の要素にできる。これらにはそれぞれ固有の論理があるが、いずれも従来の日本における年功賃金規範を弛緩させる点を目的としていること 2 成果主義の導入について、論壇ではそれが労働者にとっても差別是正などの好機とのなるのではといった意見等、その理解をめぐって混乱が生じいるこ 3 成果主義の導入および運用にういては、労使間で争議、裁判などの紛争が生じており、それぞれ困難を抱えていること 等が明らかになった。
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