研究期間内において、横浜・寿町地区における高齢化、生活保護率の上昇など人口動態を把握すると同時に、旧来型(自治会、労働組合など)および新来(地域再生を目的としたNPOなど)の地域活動の展開状況について分析を行った。当該地区には、生活保護受給を目的とした生活困窮層の移住が進むなど一種の社会的シェルターとして機能している側面があるいっぽうで、戦略的に地域振興財源の確保を図る(自治会などによるギャンブル施設の誘致など)ことにより都市インナーエリアのコミュニティとしての存続が図られていることを確認した。また、横浜市の創造都市政策が進展するなかで芸術活動などを中心とした若手芸術家らが同地区においても活動を開始し、地域団体との協力関係のもと地域活性化の取り組みを進めている。
|