本年度は、今後のまちづくり担い手形成過程の都市比較を行うためのプレ調査として、熊本市の商店街のエリアマネジメントの試み、徳島市の中心市街地活性化の活動、徳島県佐那河内村のまちづくり活動、長浜市のまちづくり活動への参与観察を行った。また、全国的なまちづくりの動向を把握するために、東京のまちづくり(東京駅周辺再開発、隅田川の水辺空間をいかしたまちづくり、下北沢、高円寺、品川宿)、富田林・寺内町(伝統的建造物保存地区)のまちづくり、東海市太田川駅前再開発(とれたてマーケット『どんでん広場』)、金沢市のまちづくり、群馬県沼田市の沼田商店街のまちづくり、香川県高松市のまちづくり活動の視察を行った。まちづくりの担い手が既存の地権者である場合や、地権者でない場合もあるが、いずれにせよ、まちづくりが積極的に動いている場合、地権者の信託を受けたまちづくり組織をつくり、そこが主体になることで、土地の流動化を促進させ、多様なまちづくりの担い手を生み出している様子が見いだされた。 今後は、地域特性をふまえて、それぞれの地域において、地権者の信託をうけるまちづくり組織の成立要因を探ることで、地域活性化を可能にするまちづくりの担い手形成の分類と一般化を試みたい。
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