1.高齢期の過ごし方満足度尺度(仮称)を作成するにあたり、国の調査や先行研究を検討し、尺度構成項目候補を類似項目も含めて約100項目を収集した。収集した項目の内容を検討すると、他者との関係、健康、貢献、自分の技術や経験の活用、学習、満足・充実感、自尊心のカテゴリーに分類された。これらの項目やカテゴリーを吟味し、最終的に29項目で構成される尺度を作成した。その際、尺度が目指す方向性や質問文のワーディングなどのレビューを研究者および高齢者に依頼し、受けた指摘は必要に応じて修正した。 2.高齢期の活動は、社会活動とプロダクティブ(生産的)な活動を把握することにした。社会活動は、個人活動(10項目)、社会参加・奉仕活動(6項目)、学習活動(4項目)、仕事(1項目)の4側面で捉える社会活動指標(橋本他1997)を基本ことして把握することにした。プロダクティブな活動は、先行研究により、有償労働(1項目)、家庭内無償労働(2項目)、家庭外無償労働(3項目)として把握することにした。なお、社会活動の仕事とプロダクティブな活動の有償労働は同一の項目とした。プロダクティブな活動の先行研究や測定項目について検討した内容は、過去のデータ(本研究費によるものではないもの)を使用した実証的研究を学会誌論文に投稿した論文の「はじめに」の箇所で言及した。 3.次年度に実施予定の量的調査の準備をおこなった。I市の許可を得て住民基本台帳から無作為に600名の高齢者を抽出し、宛名ラベルを作成するなど、次年度の郵送調査の準備を進めた。
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