研究成果として、ボランタリーセクターを通じて市民が政策過程に影響力を行使していくためには、(1)他のステークホルダーが持っていない独自の資源を持ち、またそのことを認知させていくことが重要であること(例えば、利用者の立場に近いなど)(2)協働は、政策的枠組みによってのみ形成されるわけでなくそれまでの積み重ねが重要であること(制度ができれば協働できるというわけでなくそれ以前からの関係が重要であること)、(3)中央政府とローカルなガバナンスとのバランス(メタ・ガバナンス)が重要になること(中央政府の介入が過度になるとローカルな決定の自律性がなくなってしまうこと)(4)本来多様であるボランタリーセクターのネットワークの声を代表するためには、セクターのインフラ(具体的にはボランタリーセクターのネットワーク)が重要になること、などが明らかになった。
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