研究概要 |
平成21年度は、高齢者福祉実践の経験豊富な介護福祉士等12人に対して、平成19年度より実施した聞き取り調査(高齢者やその家族との関わりの過程やそこでの自らの変化、両者の相互作用等について聞いた。そのなかで日常の実践をどう意識化し、経験則を見出すなどしてきたのか、そのプロセスに関するデータを半構造化インタビューによって収集。)によって生成したグラウンデッド・セオリーの、ストーリーライン及びプロセス図に関する意見を、調査協力者に求めた(メンバーチェッキング)。調査協力者からは、「理解しやすい」「自分の実践にあてはまるところが多い」などの意見がほとんどで、生成したグラウンデッド・セオリーの妥当性が確認できた。 また、生成したグラウンデッド・セオリーの信憑性を確保することを目的として、M-GTAに詳しい社会福祉研究者や、調査協力者以外の実践者によるスーパービジョンを受けた。スーパーバイザーからは、生成したグラウンデッド・セオリーの、ストーリーライン及びプロセス図について「非常に興味深い」「他の社会福祉専門職との違いはどうか」などの助言があった。既に取り組んできた研究の蓄積もあることから、本研究結果を踏まえて他の社会福祉専門職との比較検討も試みる上での、有益な助言を得たと考える。 平成22年度は,これらの調査・分析結果に考察を加え,研究成果として大学紀要において発表した.また印刷・製本したものを研究協力者やスーパーバイザーらに広く配布し,助言や指摘を受けた.
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