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2009 年度 実績報告書

自己開示の適切条件の検討に基づく災害救援者のストレスケア技法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 19730387
研究機関名城大学

研究代表者

畑中 美穂  名城大学, 人間学部, 助教 (80440212)

キーワード自己開示 / 災害救援者 / ストレスケア
研究概要

本研究は、自己開示行動が心的外傷からの回復にとって有効にはたらく条件を明らかにした上で、自己開示を取り入れた災害救援者に対するストレスケア技法を提案することを目的としている。この目的の下に、今年度は、消防職員を対象とした自己開示に関する質問紙調査と、惨事ストレスケアに関する研修講義および効果測定を行った。
質問紙調査は、平成21年5月から6月にかけて消防職員486名を対象に実施され、精神的に大きな衝撃を受けた災害出場体験に関する自己開示について検討された。衝撃的な出場体験を有する者のうち9割を超える者が当該体験に関する自己開示を行っていた。自己開示の対象は同じ署の同僚が8割近くと最も多く、開示後は「すっきりした」、「楽になった」といったポジティブな変化が多く報告された。また、当該体験について自己開示を行っている者の方が、行っていない者よりも、調査時点での精神的健康状態が良好であった。ただし、自己開示によって「思い出してより不快になった」、「頭から離れなくなった」といったネガティブな変化もわずかながら報告され、ポジティブな変化をもたらす自己開示とネガティブな変化をもたらす自己開示の違いについて、検討が行われた。上記の調査結果と前年度までに得られた知見をもとに、惨事ストレスケアに関する研修講義を、2009年6月には横浜市消防局にて、2010年1月には東名古屋地区の消防本部にて、それぞれ実施した。東名古屋地区の研修時には、研修による意識の変化を検討する効果測定調査を行った。研修により、概ね惨事ストレスに対する意識や理解が深まったことが確認された。同時に回答を求めていた今後の惨事ストレス対策に関する要望についても検討が行われ、消防本部への結果報告と対策の提案が行われた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ソーシャルサポート源とサポート内容が消防職員の精神的健康に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      兪善英・松井豊・畑中美穂
    • 学会等名
      日本トラウマティック・ストレス学会第9回大会総会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      2010-03-06

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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