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2007 年度 実績報告書

対人認知の発達に関する統合モデルの構築-特性推論における幼児・児童と成人の比較-

研究課題

研究課題/領域番号 19730402
研究機関埼玉大学

研究代表者

清水 由紀  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (30377006)

キーワード対人認知 / 特性推論 / 自発的特性推論 / 他者理解 / 発達 / 青年期 / ネガティビティ・バイアス / パーソナリティ
研究概要

1)目的:中学生および大学生を対象とした実験研究を行い,自発的な特性推論(行動を観察しただけで,意図なく自発的にその人の特性を推論すること)の発達過程を検討する。
2)方法
(1)要因計画 年齢群(2;中学生・大学生)×性別(2)×試行タイプ(2;再学習・統制)×特性価(2;ポジティブ・ネガティブ)の4要因計画。年齢群と性別は被験者間要因,試行タイプと特性価は被験者内要因である。
(2)実験対象者 中学1年生74名(男38名,女36名。平均13歳10カ月),大学生64名(男12名,女52名。平均19歳)。
(3)手続き Power Pointの画面を呈示して一斉に行った。(1)接触フェイズ:顔写真と行動記述文のペアを呈示。10ペアが特性暗示文,10ペアが特性を暗示しない中立文であった。(2)遅延フェイズ1:文章と顔写真の印象評定およびアナグラム課題を実施。(3)学習フェイズ:顔写真と特性語のペアを呈示。再学習試行では(1)において特性暗示文がペアになっており,統制試行では(1)において中立文がペアになっていた。なお再学習・統制試行はそれぞれ10試行であり,いずれもポジティブ語とネガティブ語が半数ずつであった。(4)遅延フェイズ2:アナグラム課題を実施。(5)再生フェイズ:顔写真のみを呈示し、(3)でペアになっていた特性語を回答させた。
3)結果と考察:大学生と中学生のいずれも,特にネガティブ特性において自発的に特性を推論しやすいことが示された。これまでは自発的特性推論において,欧米のデータしか示されていなかったが,集団主義的な文化であり特性推論が見られにくいとされる日本人のデータにおいても自発的特性推論が見られたこと,また青年期前期の子どもにおいても見られたことより,自発的特性推論は文化によらず普遍的なプロセスであると推測される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Spontaneous trait inferences among Japanese children and college students.2008

    • 著者名/発表者名
      Shimizu, Y. & Komori, M.
    • 学会等名
      9th Annual Meeting of Society for Personality and Social Psychology
    • 発表場所
      Albuquerque Convention Center, Albuquerque, USA.
    • 年月日
      2008-02-08
  • [学会発表] 大学生と中学生における自発的特性推論-再学習課題を用いた検討-2007

    • 著者名/発表者名
      清水由紀・小森めぐみ
    • 学会等名
      日本心理学会第71回大会
    • 発表場所
      東洋大学
    • 年月日
      2007-09-20
  • [学会発表] 対人葛藤場面における他者の行動予測の発達過程-幼児・児童は他者の性格特性に基づいて対人葛藤方略を予測できるか-2007

    • 著者名/発表者名
      清水由紀
    • 学会等名
      日本教育心理学会第49回大会
    • 発表場所
      文教学院大学
    • 年月日
      2007-09-15
  • [図書] 内田伸子編 よくわかる乳幼児心理学2008

    • 著者名/発表者名
      清水由紀(分担執筆)
    • 総ページ数
      204
    • 出版者
      ミネルヴァ書房

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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