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2009 年度 実績報告書

わが国の学力テストにおける学力構造の分析とその国際比較に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19730403
研究機関名古屋大学

研究代表者

石井 秀宗  名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 准教授 (30342934)

キーワード学力 / テスト理論 / 項目分析 / 記述式問題 / 無回答 / 読解力
研究概要

PISA調査などにおいて,記述式問題に対するわが国の生徒の無回答率が高いことが指摘されているが,PISA調査の設問はおもに西欧諸国の文化の中で構開発されたものであり,わが国の従来の教育やテストとは異質な部分があり,PISA調査の正答率や無回答率だけを見て,わが国の生徒の学力について議論するのは,わが国の教育実態を必ずしも正しく捉えたものとは言えない可能性がある.
そこで,わが国の教師によって開発された読解テストを用いて,わが国と他国の生徒がどのように応答するかを比較することにより,設問の内容や問い方と,正答率,無回答との関係を検討することを試みた.具体的には,わが国と同じ東アジア文化圏に属し,2000年のPISA調査の読解力テストの成績はわが国と同程度であったが,2006年調査ではフィンランドを抜いて第1位であった韓国との比較を行った.
その結果,必ずしもわが国の生徒のほうが韓国の生徒よりも記述式問題の無回答率が高いわけではないことが確認された.しかし,わが国の生徒は,文章中の語句を用いて回答することについては,韓国の生徒と同等かそれ以上に正答できるが,具体例や意見など文章中にはないことを書く問題はやはり不得手であることが伺え,これはPISA調査の結果などとも一貫したわが国の生徒における記述式問題への一般的な回答傾向であると考えられた.一方,文脈を読み解きそれに沿って回答することについては,わが国と韓国の生徒に違いがあることが推察された.
また,受験者の能力評価において,端的に言えばテスト得点に対して,解答類型や設問の問い方どいうテストの構造的性質がもたらす影響についての検討も行い,テストの構造的性質がテスト受験者の能力評価に影響を及ぼしていること,また,項目分析の結果に基づいてそれらを改訂することの有効性が明らかにされた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 図の提示の仕方が項目難易度に及ぼす影響-中学国語読解テストを用いた実証研究-2010

    • 著者名/発表者名
      安永和央・石井秀宗
    • 雑誌名

      日本テスト学会誌 6(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 読解テストへの応答傾向に関する日韓比較研究-群馬県児童生徒学力診断テストを用いた項目分析的検討2010

    • 著者名/発表者名
      石井秀宗・安永和央・金由那・千錆誠・朴賢晶・李正連
    • 雑誌名

      名古屋大学大学院教育発達科学研究科中等教育センター紀要 10

      ページ: 29-43

  • [雑誌論文] 中学生の記述式問題における無回答率の検討-日本の教師により作成された読解テストとPISA読解リテラシーとの比較2010

    • 著者名/発表者名
      安永和央・石井秀宗
    • 雑誌名

      名古屋大学大学院教育発達科学研究科中等教育センター紀要 10

      ページ: 93-101

  • [学会発表] 国語読解テストの分析(1)-無回答の日韓比較2009

    • 著者名/発表者名
      石井秀宗・安永和央
    • 学会等名
      日本教育心理学会第51回総会
    • 発表場所
      静岡大学
    • 年月日
      2009-09-22
  • [学会発表] 国語読解テストの分析(3)-項目分析に基づいた設問設定の検討2009

    • 著者名/発表者名
      安永和央・石井秀宗
    • 学会等名
      日本テスト学会第7回大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2009-09-04
  • [学会発表] 国語読解テストの分析(2)-中学生の無回答率の検討2009

    • 著者名/発表者名
      安永和央・石井秀宗
    • 学会等名
      日本国際教育学会第4回大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2009-08-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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