研究概要 |
今年度の研究の目的と研究計画は, 1. 前年度に実施された予備調査のデータ分析と結果の取りまとめ, さらに, 2. 文献レヴューを踏まえた上で, 3. 本調査の研究計画の立案と実施の3点が挙げられていた。以下, 各々について成果を記述する。 1. すべてのデータを詳細に吟味・検討できたとはいえないものの, 本研究の核となる「家計収入・管理」に関する意識項目についての分析は進められた。その結果, 特に, 育児期家庭における家計収入・管理タイプとその意織との関連について検討した。その結果夫婦双方に収入がある家庭では, 家計管理のあり方は言行一致だが, 夫のみ収入の家庭ではズレが大きいこと歩示唆され, いわゆる専業主婦家庭における夫婦間の意識のズレが指摘された。これらの結果は, 平成21年3月の日本発達心理学会(@日本女子大学)で発表される予定である。また, 論文も現在執筆されているところである。 2. 関連文献は心理学, 社会学のみならず,家計経済学や家政学にまで広範に存在するため, 充分なレヴューは限られた時間内ではかなり困難であることが明らかとなった。しかしながら, キーとなる文献は収集されたと推察され, 最終年度のまとめにおいて活用されることが想定される。 3. 予備調査での示唆を踏まえ, さらに関連項目を増やし, 質問紙調査票を作成し調査を実施した。A県B町内にある保育所12園を介し, 未就学児童を持つ489家庭に配布され, 276部が回収された(回収率56.4%)。
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