本研究では、青年が持つ感情特性が友人関係にどのような影響を与えているのかについて検討した。一連の研究から(1)曖昧な友人関係場面の解釈を求める調査において、解釈に影響を及ぼす感情特性は、肯定的感情特性よりもむしろ否定的感情特性であること、(2)また場面を解釈する際、否定的感情特性が低い場合、青年は友人に対して自ら状況を変えることが可能な積極的な解釈をすること、また逆に否定的感情特性が高い場合、被害的で主体性のない解釈をすることが示された。このことから感情特性が場面の解釈に大きく影響を与え、特に否定的な感情を持つ青年は、友人関係で生じた出来事を被害的に捉える傾向があり、友人関係の維持を困難にする可能性が示唆された。
|