研究概要 |
平成19年度は,愛知県碧南市保健センターと共同研究の開始に関する交渉手続きを行った.碧南市保健センターの母子保健係の保健師との協力体制を確立する中で,碧南市側との確認作業を継続した.その結果,3ヵ月児健康診査において,研究調査の実施が可能となる見込みが立ち,実際の調査尺度の選定や,実施にあたっての段取りを行った.調査内容は,母親の抑うつを測定する尺度として,エジンバラ産後うつ病自己評価票(Edinburg Postnatal Depression Scale; EPDS)と,母親から子どもへの愛着を測定する尺度として,産後愛着尺度(Postpartum Bonding Questionnaire;PBQ)に決定した.これによって,生後2ヵ月児に対して実施されている「こんにちは赤ちゃん訪問」に関する効果測定を,3ヵ月児健診の時点で検討することとなった. 調査の実施にあたっては,担当保健師及び看護師に対して,エジンバラ産後うつ病質問票と産後愛着尺度に関するレクチャーを行った.さらに,調査の実施方法および問診の仕方などについての講習会も行った.また,調査後のフォロー体制を新たに立ち上げ,要支援者への支援システム作りを行った.これらの結果,平成20年5月より,調査の実施が可能となった.結果については,平成20年6月に仮分析を行い,仮に使用しているカットオフポイントが適切かどうかについての検討を行うことが決定した. なお,本共同研究に並行して,産後うつ病検討会の指導員として,碧南市保健センターでのケース検討会に継続して参加し,保健師が担当している産後うつ病のケースについて助言を行う形で,要支援者への援助に寄与した.
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