研究概要 |
平成21年度は、主な研究として、2年間の調査を基に改良した質問紙を平成21年度入学者に実施し、効果研究を行った。 コミュニケーション教育実践は、研究協力者の鳥取大学・高塚人志准教授が行った。教育内容は、医学部1年生75名「気づきの体験学習」「乳幼児との交流」(必修:前期),他学部1年生120名「気づきの体験学習」(選択:前期)であった。 質問紙は(1)簡易版・大学生生活チェックカタログ45(峰松ら,2002)から「対人関係」「将来の展望」「生きがい」「大学生活の全体的充実感」(2)九州大学コミュニケーションスケール(峰松ら,2001)から「対人過敏性」「集団への適応」「アサーティブネス」(3)自己受容尺度(大出・澤田,1988)(4)他者意識尺度(辻,1993)から「内的他者意識尺度」(5)「自分の話し方、きき方の検討」(星野,2003)を参考に作成した尺度の5つを用い、授業が学生の対人関係、話し方、聴き方及び自己受容に及ぼす効果について検証した。 医学科生は、「聴き方」の得点が有意に上昇したが、一般学生は有意な変化はみられなかった。一方、一般学生は、「集団への適応」、自己受容尺度の得点が有意に上昇したが、医学科生は有意な変化がみられなかった。一般学生が有意に上昇した項目については、一般学生の7月時点より、医学科生の4月時点の得点が高かった。「ヒューマン・コミュニケーション」授業の効果は、授業形態や受講生の特徴により、効果が異なっていることが窺われた。この結果については、医学教育学会で発表予定である。 並行して、平成20年度入学生に対しても、継続して質問紙調査を行っており、その結果もまとめて発表する予定である。なお、今後も引き続き調査と分析を行い、さらに検討を行っていく。
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