本研究は、社会的要請に応える形で、カウンセラー教育に、これまで含まれてこなかったコンサルテーションについても検討の対象とすることが大きな目的である。手順は、実際の授業でプログラムを実施し、その効果を検証しながら、学部教育におけるコンサルテーション技法も含めたカウンセリング技法の教育プログラムの作成を行い、その有効性も研究期間内で検討を行うことである。平成19年度の研究実施計画は、(1)カウンセリング技法の教授法の検討、(2)コンサルテーション技法の整理と有効性の検討であり、(1)の計画を受け、カウンセリング技法に関する内外の資料のレビューを行い、プログラム(試案)を作成する。(2)の計画を受け、コンサルテーション技法の整理およびその有効性の検討を行うことである。さらに、コンサルテーション事例の分析や、コンサルテーション業務を行ったことのある心理士(カウンセラー)への調査、コンサルテーションを受ける側(コンサルティ)を対象に、インタビュー調査を実施する。これらのデータを元に、コンサルテーションの技法を抽出することが平成19年度の研究実施計画であった。 そこで、これらの計画を受け、平成19年度は内外のコンサルテーションに関する研究のレビューを通して、コンサルテーション研究そのものの方法論の検討(問題点の抽出)を行い、今後の研究の方向付けを行った。また、文献レビューと、コンサルティ(現職の教員)にインタビューを実施することで、コンサルテーションの技法・スキルに関して整理、抽出を試みている。さらに、内外の文献を通して、カウンセリングプログラムの検討も行っているところであったが、研究者が平成19年12月16目より産前産後休暇、および育児休暇を取るため、本年度の研究はここまでで中断することとなった。
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