本研究の目的は、カウンセラー(コンサルタント)一人ひとりのコンサルテーションの技量を上げることで、さまざまなこころの問題への地域ぐるみの援助や問題が深刻化する前の予防に役立てることである。そのために、コンサルテーションの技量をもったカウンセラーを養成するためのフログラム(訓練プログラム)を作成することが本研究の最終目的であるプログラムを作成するにあたっては、コンサルテーションの技法を抽出し、その有効性の検討を行うことが必要になる。そこで、平成20年度では、末だ体系化されたもののないコンサルテーション技法の抽出を行うために、国内外のコンサルテーションに関する研究論文を収集し、レヴューを行った。その結果、コンサルテーションに関する研究は非常に多岐にわたり、その整理がまだまだ不十分であること、報告者の経験に基づいたもの、特定のアプローチ内で検討がされているものがほとんどであった2数あるアプローチに共通する姿勢や技法があることは、マレヴューを通して推察できるものの、それらを統合した上でコンサルテーションの姿勢・技法について吟味した研究は皆無であることがわかった。さらに、技法を体系化したものや、技法そのものがたして本当に有効であるかどうかといった有効性に関する実証的な検証についても、我が国ではほとんど行われていないこしが明らかになった。加えて、コンサルテーションの実習(訓練)に関する研究もほとんど皆無であることが明らかになった。 本年度の研究によって、我が国のコンサルテーション研究やコンサルテーションを含む養成プログラムを作成するにあたっての課題、問題点が明確になり、本研究の重要性が改めて確認された。今後の研究を進めるにあたり、大変意義のある成果であったと考える。
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