研究概要 |
小中学生の子どもを持つ母親2グループ(10名, 7名)を対象に, 認知行動論的親教育プログラム(計5セッション)を以下のとおり行った. 1. プログラム内容 : 親の子どもに対する不適切な接し方を減少させ, 適切な接し方を増加させることを目標としており, (1)学習理論の基本的な考え方を学び子どもに強化的にかかわる, (2)HWを取り入れて「自分の行動が変わると子どもの反応が変わる」ことを実際に体験する, (3)仲間の助言や経験談を効果的に活用するといった柱から構成された. 各セッションの具体的内容は, (1)心理教育およびセルフ・モニタリングに関する説明(HW), (2)心理教育, セルフ・モニタリング記録を基に子どもへの接し方の自己分析, および具体的な目標行動の設定(HW), (3)HWの報告とフィードバックおよび自己分析の続き, (4)HWの報告およびフィードバック, (5)HWの報告, フィードバック, および全体のまとめであった. 2. 効果測定の内容 : プログラム実施の効果を検証するために, 下記の測定尺度等を実施した. (1) ストレス反応 : SRS-18(鈴木他, 1997). (2) ソーシャルサポート : 三浦(2002)のソーシャルサポート尺度(サポート源 : 配偶者, 子ども, 友人). (3) 養育スキル : 佐藤ら(2001)の養育スキル尺度(6下位尺度41項目). (4) 家庭ストレッサー : 平原(2000)の中学生用家庭ストレッサー尺度(2下位尺度14項目 : 項目表現を修正し, 親が子どもに与えている家庭ストレッサーの程度を測定). (5) 子どもへのかかわりに関するセルフ・モニタリング : 日常生活における子どもとのかかわりについて, 状況, 自分(親)の言動, 子どもの言動, 自分(親)の言動に対する評価を記録した. なお, 上記(1)〜(4)は第1, 5セッションに配布し, 郵送法で回収された. 上記(5)は, プログラム期間を通して実施した.
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