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2007 年度 実績報告書

遺族ケアサービスの利用ニーズの評価と効果的な提供方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19730445
研究機関関西福祉科学大学

研究代表者

坂口 幸弘  関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 准教授 (00368416)

キーワード遺族ケア / 死別 / 利用ニーズ / NICU / 子どもの死 / サポート / 喪失体験 / 質問紙調査
研究概要

今年度は、遺族ケアサービスの利用ニーズを評価するため、NICUで子どもを亡くした親が病院に望む遺族ケアについて検討した。調査対象はNICUで死亡退院した81名の児の両親である。郵送による質問紙調査の結果、26家族43名から回答を得られた。回答者の内訳は、母親26名、父親17名であった。児の入院期間は平均53.9日であり、死亡時からの経過期間は平均31.1か月であった。調査を実施するにあたっては、院内の倫理委員会の承認を得た。主な結果は次の通りである。1)児の死亡前後から現在までの期間に助けになったものは、「配偶者」(58%)が最も多く、次いで「友人・知人」(51%)、看護師(49%)の順であった。「看護師」に関しては、母親のほうが父親に比べ、助けになったと回答する割合が有意に多かった。2)病院スタッフが死別後のケアを行うことに関して、33名(79%)が「良い」もしくは「やや良い」と回答し、その理由としては33名のち28名(85%)が「自分や亡くなった児のことを知ってくれている」を挙げた。3)希望するサポートについて、「カードや手紙を送付する」(40%)が最も多く、次いで「医師・看護師と病院で話をする」(35%)であった。4)「今現在、病院で同じ体験を持つ人との交流会があれば参加したいと思うか」との設問に対しては、母親の50%が参加の意向を示したのに対し、参加を希望する父親は12%にとどまった。参加を希望する理由としては、「同じ体験をした人の話を聞きたい」が最も多かった。病院スタッフが死別後にケアを行うことに対しては、多くの遺族が好意的に評価していることが示された。遺族が望むサポートとしては、カードや手紙を送付することが挙げられており、今後の導入を検討する価値があると考えられる。また、母親と父親との間で差異が認められており、その差異に留意した遺族ケアのあり方を検討する必要があると思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] グリーフケアの実践と展望2007

    • 著者名/発表者名
      宮林幸江・坂口幸弘・田子久夫
    • 雑誌名

      宮城大学看護学部紀要 10(1)

      ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 遺族へのグリーフケア-「ひだまりの会」の取り組み-2007

    • 著者名/発表者名
      坂口幸弘・米虫圭子・黒川雅代子
    • 雑誌名

      関西福祉科学大学心理・教育相談センター紀要 5

      ページ: 49-54

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 死別後の家族ケア2007

    • 著者名/発表者名
      坂口 幸弘
    • 雑誌名

      緩和ケア 17(Suppl.)

      ページ: 113-116

  • [雑誌論文] 悲しみっていつかは消えてしまうものなのかなぁ2007

    • 著者名/発表者名
      坂口 幸弘
    • 雑誌名

      緩和ケア 17(5)

      ページ: 483-484

  • [学会発表] NICUで子どもを亡くした親が望むグリーフケア2007

    • 著者名/発表者名
      坂口 幸弘
    • 学会等名
      第31回日本死の臨床研究会年次大会
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2007-11-11

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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