本研究では、地域住民に対する横断調査研究ならびに睡眠外来受診患者を対象としたレトロスペクティブ研究を行った。その結果、抑うつ症状は不眠症と強い因果関係を有し、不眠症と抑うつ症状の重症度の間に関連性があることが明らかであった。睡眠薬使用による不眠の改善が抑うつ症状を完全に解消することは難しいものの、症状緩和に貢献していた。またメラトニンは、生体リズムの調整に効果的であり睡眠相後退症候群の治療に有用であると考えられるが、平行して睡眠衛生指導の強化と治療に対する動機づけを保つことが必要であると考えられた。
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