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2007 年度 実績報告書

幼少期からの記憶の変遷過程:認知発達メカニズムとの関連

研究課題

研究課題/領域番号 19730457
研究機関東京外国語大学

研究代表者

上原 泉  東京外国語大学, 外国語学部, 准教授 (80373059)

キーワード幼少期 / 自伝的記憶 / ナラティブ / 記憶の変遷
研究概要

平成19年度は、縦断的調査に力を入れ,特に次の点を検討した。第一に、各対象者において、目伝的記憶発達過程で重要な時期を特定した上で,経験時の年齢みならず,幼少期から想起時点までに経験した出来事に関する記憶の報告がどう変遷していくのかを,少数の対象者の事例だがそれらの詳細について分析検討した。対象者間で,共通する道筋を経る可能性を見出すことができた。幼児期初期の「語り」は明らかに幼児期後期以降になると変わてくる様子が確認され,表面的な言語表出力にもっぱら依存した語りから、自伝的記憶としての語りへと,幼児期後期以降に変わっていく可能性が示唆された。時期に個人差があるとはいえ,男児と女児の事例間でもこれまでのところ,この道筋に差異はないものと判断される状況である。第二に,従来の本研究者の研究では,口頭による自由インタビューでの調査者と対象者のやりとりから,主に正誤に重点をおいて分析してきたが,経験数,繰り返し報告数や家でのビデオ視聴なども考慮し,報告する中での変遷過程にも目を向けた分析に取り組み始めた。また,これらの対象者に対し,口頭のインタビューのみならず,過去の記憶に関する質問紙調査も実施し,筆記で答えた内容の収集に取り組んだ。上記の成果の一部については国内外の学会で発表した(Uehara, 2007; 上原,2008)。
生涯発達の視点から,幼少期,児童期の語り口の差異や記憶内容が変容する場合の詳細の過程について十分に検討できなかったので、今後の課題として検討していきたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 日本・中国・米国の学生が重視する主人公の特徴-中間報告-2007

    • 著者名/発表者名
      上原泉・東洋
    • 雑誌名

      発達研究 21巻

      ページ: 55-68

  • [学会発表] 自伝的記憶が形成される時期の検討:幼少期の過去の語りとその変遷過程2008

    • 著者名/発表者名
      上原泉
    • 学会等名
      リレー講演「自伝的記憶の発達」(大会主催)内での発表, 日本発達心理学会第19回大会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      2008-03-21
  • [学会発表] The relationship between ages of personal experience and later recall during childhood: an examination by longitudinal case studies.2007

    • 著者名/発表者名
      Uehara, I.
    • 学会等名
      The XIIIth European Conference on Developmental Psychology
    • 発表場所
      Friedrich Schiller Universi-ty of Jena, Germany.
    • 年月日
      2007-08-22
  • [図書] 記憶の生涯発達心理学 第1部 乳・幼児の記憶 2章 短期記憶・ワーキングメモリ (Pp.21-30), 3章 エピソード記憶・意味記億 (Pp.31-37)2008

    • 著者名/発表者名
      上原 泉, 太田信夫・多鹿秀継, (編著内)
    • 総ページ数
      21-37
    • 出版者
      北大路書房

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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