本研究は、聴覚音声系のコミュニケーションに特化した小型類人猿を対象に、聴覚的な知覚・認知特性をヒトとの比較を通じて明らかにすることを目的としている。研究の全体では、飼育個体を対象とした行動実験を予定しているが、本年度は研究所の実験室が耐震補強改修工事のため実験は当初の通り思うように進まなかった。したがって、基本的には実験するための装置の作成を行った。また、予備的にニホンザルとキャンベルズモンキーという旧世界ザルにおいて、協和音不協和音に対する選好性を強制選択選好法を用いて検討した。実験の結果旧世界ザルにおいては協和音に対する選好性は認められなかった。
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